イギリス紀行1

2020年といえば、新型コロナウィルスが世界を席巻した年。1月に中国で広がり、日本でも2月にクルーズ船で見つかったりした。そんな頃、イギリスに行く話しになった。念願である映画祭からの招待だった。招待といっても自費なので、行くか迷った。「冬のロンドン。」それにコロナが広がりつつある。少しためらわれる。でも映画祭で海外に行くというのは、目的の一つだったのでわりとすんなり決断した。本当は昨秋にミラノに行くつもりだったのだが、それはロサンゼルスに変わった。またロンドンの後には五月ごろフランスのニースに誘われたが、その頃にはもうコロナが世界中で広がっていた(残念ながらオンライン開催となってしまった)。だから海外に行ける機会はあっという間に減ってしまった。そういう意味で、この時にロンドンに行けた映画の神さまの思し召しであり、ラストチャンス?だったのかもしれない(夏にはパスポートも切れてしまう)。

この旅には、普段映画でも使用している一眼レフカメラを持参。映像や写真も残した。映像の一部はYouTubeなどにアップしたが、どうも自分の感じたことを表現しきれてるかといえば疑問だ。これは普段でもクリエイティブなことをする動機づけになっているのだが、自分が感じていることを日常の中では全然表わせていないと感じている。お喋りが得意な人なら、ペラペラ友人や家族に話すんだろう。しかしそういうのは苦手だし。また映画監督・詩人を名乗っているのだから、そういう面で表現したらいい。ということと、今回「イギリス紀行」のような文章と映像をあわせてみた。もしかしたら旅行記としてなら表現しやすいんじゃないかと思ったのだ。誰でもいい、ここから何かを感じてもらえれば嬉しい。

写真やドキュメンタリーのような映像は、たしかに旅にとっては欠かせない。だが一方で人間には言葉という武器がある。先に書いた内容だけでも、映像で表わすのは難しい。ナレーションや説明文がいる。人間が感じていること、頭で考えていること。その場にいてもそれぞれみんな思っていることは違ったりする。同じ映像を見ても、何を感じるかは人による。というわけで、今回は頭の中にも同行してもらおう。そうすれば、より深く感じてもらうことができるはずだから。さぁ前置きが長くなった。冬のイギリスへ行ってみよう。

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