イギリス紀行4

ただ宿は予約していた。ホテルなどではなく、ユースホステル(一泊三千円くらい)。一人身なので節約のためバックパッカースタイルである。最初は何の違和感もなく、気持ちの中では二十代の頃を思い出しながら過ごした。よい点は囲われたホテルではないから、すぐに知り合いや話し相手ができやすい点。性格にもよるだろうけど、自分にはあっていた。ただ周囲を見渡すと、やはり若い。で、自分はそこそこの中年という目でみられてる(実際そうなのだが)。それで「ああ、そっか、だいぶ年月が過ぎたのだな。」と実感させられた。まだギリギリユースでも大丈夫だったけど、もうこれからは厳しいかなとも思った。


しばらく歩き回る。ユースホステルは駅前三分くらいのはずなのに、見つからない。図書館の人にネットで探してもらい、ようやく教えてもらう。下がパブ、上がユースホステルだったから気づかなかったのだ。歩いている間にすれ違う女の子が可愛いことに気づく。外国に行くと、その国の女性がキレイか、食べ物がおいしいか。この二点が自分にとっては重要だ(笑)別にナンパしたりするわけじゃないけど、単純にテンションが上がる(それが大切)。イギリスの女の子は、地味な黒髪か甘栗色の髪だから、ブロンズ美女ってわけではない。小柄で痩せてる人も多い。だからどちらかといえば日本人に近い気もする(アメリカ人ともちがい、しっとりしてる雰囲気)。ただ日本人より目がパッチリしてるから、誰もが美人に見える。簡単にいえば、エマ・ワトソンがそこら中を歩いている感じ。

突然の雨に降られながら、ユースホステルの受付に駆け込む。うん、この冬の雨っていうのもイギリスっぽい。初日で着いたばかりだが、やはり国柄というのは表われるものなのだろう。ユースの広さは全く期待していないで正解。ロンドンは東京と同じく狭いから、高級ホテルであってもそれほど広くはないだろう。だからユースで十分というのは、自分一人だからこそだ。ロビーで買ったサンドイッチを食べていると、アイルランドの青年が来て少しお喋りする。片言の英語なので、ちょっと苦労する。向こうは英語が話せるので(アイルランドの母国語はゲール語で、第二公用語が英語)、イギリスのEU脱退などの話を聞いた。「知ったこっちゃない。」と笑う青年に、アイルランドとイギリスの歴史を感じた(北アイルランド問題)。ちなみに彼はロンドンのバーなどで働きながら、あちこちユースホステエルを回っているらしい。それまで彼が滞在してたのは、二回目に行く予定のユースだったので様子を聞くと「ああ、中々いいよ。」ということだったので安心した。ここはさすがに狭すぎる。

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