テムズ河とタワーブリッジの風景は写真映えもする。何枚も写真を撮ってしまい、歩いて回る(カメラの充電はここで切れる)。そのあとで内部も見学する。まさに大英帝国の力を思い知った。いや力だけでなく、これは力学であり科学の勝利。実践的な考え方、合理主義によるもの。日本が集団主義や組織主義を得意とするのとは違い、イギリスは世界に先駆けてこうした科学・実践主義を取り入れることで世界を制した。それは今もイギリス・アメリカという国が先進国の中で、世界をリードしていることに表われているだろう。金融の中心はロンドン、シティである。もちろんニューヨークや東京も重要な場所に違いないが、やはりイギリスはまだまだ特別な国。それはタワーブリッジに象徴されるような、力と科学を融合させた考え方によると思われた。
現代でもそのようなことを感じるのだから、百年以上前に夏目漱石が感じたショックはいかほどだったか。封建主義が色濃く残る(江戸時代が終わってまだ三十年とかだ)日本との差を感じたに違いない。イギリスにだって王様はいるし、海洋国家なのは一緒なのに。ナンバーワンになってしまったヨーロッパの国と、アジアの東の外れの島国?そこから日本もだいぶ頑張って追いかけ、世界大戦での挫折などもありつつ、今はどうなのだろう。イギリスはエリザベス二世、日本も天皇制がまだ残っている。
壮麗なタワーブリッジの横にある、静かなるロンドン塔。それが今回の旅でぜひとも行きたい場所だった。しかし、まさか入場が四時までということで行ったら(ちょうど四時だった)、あきらめざるえなかった。残念だ。でも旅とはそういうものかもしれない。思ってもみなかった出会いがあり、予定していたところが意外とショボかったりする。ただ、ロンドン塔の周りにはちょっとした案内版があって、それを少しづつ見てると興味深い。なんともいえないグロテスクな絵(ポップな国の日本ではありえないような)で示されているのは、ロンドン塔の歴史である。英語だけでなく何ヶ国語で書いてあり、親切に日本語もあったのでゆっくりと読み進むことにする(この案内図は十数個あった)。
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